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Let's go to the trip! [旅の断片]

始まりは、わくわく blog.jpg

*くしろ湿原ノロッコ号@JR釧路駅

  

 

 

 

 

先日、久しぶりに列車に乗る仕事があった。乗り込んだのは、釧路-塘路間を

結ぶ季節列車「くしろ湿原ノロッコ号」だ。車では容易に近づけない

釧路湿原の壮大な水風景を間近に眺められるこの列車は、

運行開始から20年を経て、夏の釧路観光の目玉のひとつになっている。

 

乗客のほとんどが観光客。列車に乗ることが道東観光ツアーの

アクティビティのひとつにもなっているらしく、折り返しの塘路駅では

観光バスが数台、ノロッコ号の到着を待っていた。

ノロッコ号の周りには、いつでも、旅人の笑顔がある。

ヘッドマークをつけた機関車前は、人気の撮影スポットになり、

入れ替わり立ち代り、家族連れやカップルがカメラを構える。

列車が動き出せば、人々は開閉可能な大きな窓に張り付いて、

食い入るように流れゆく風景を飽きずに眺め、シャッターを切っている

 

 列車は、単なる移動手段ではない。

レールをたどって移動することが、旅そのものなのだ。

ノロッコ号の旅にはしゃぐ老若男女の顔を遠巻きに眺めるうちに、

ずいぶん長らく、意識から抜け落ちていた大切なことを思い出した。

 

 いにしえの窓辺 blog.jpg

 カフェ・レストラン「オーチャードグラス」@川湯温泉駅(旧貴賓室)

 

  

ノロッコ号の夏季運行の折り返し駅は、釧路湿原のほとりにたたずむ無人駅、塘路だ。

小さなログハウス風の駅舎の中には、

横浜出身の鉄旅の達人が開いたカフェ「ノロッコ&8001」がある。

 

移動時間をいかに短縮するか。鉄道は、車や航空機に対抗すべく、

新型車両を開発しては次々と世に送り出してきた。 

昔、僕らにとって鉄道は最も身近な交通手段でした。

とりあえず、切符を持っていれば、知らない土地へ列車が連れて行ってくれた。

線路に身をゆだねる心地よさが、鉄道の旅の一番の魅力」

「でもね、鉄道のスピード化が進むほどに、レールから旅情が、

本物のゆとりが失われていったように思えて仕方ないんです」

20年近い鉄旅暦を重ね、都会にはない北の雄大な自然に魅せられて

湿原のほとりに移住した主はコーヒーを入れながら、ポツリポツリと語ってくれた。

 

 

鉄子の眼 blog.jpg

                                                      川湯温泉駅@釧網本線

 

   

そんな筋金入りの鉄旅愛好者にとっての

究極の旅スタイルは単線ローカル・普通列車旅だという。

「時刻表とにらめっこして、上りと下りの時間差をはかり、

待ち時間をどんな風に過ごそうかを考えるのが楽しくて。

尺取虫のようにゆっくり進んでいく単線の旅は、

いろんな発見と出会い、旅情がありますよ」

 

 

時のないカフェ blog.jpg
                   
              レストラン・カフェ「オーチャードグラス」@川湯温泉駅(旧事務室)

 

ひとつ進んでは、ふたつ戻って。あるときは1回休み。

双六のような単線ローカルの旅は、どこか人生にも似ている。

人が生きる…ということは、

終わりの分からない旅、なのかもしれない。 

 

  

黄昏て blog.jpg

@釧路湿原・茅沼温泉 

 

 

 

日曜日の真昼、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

ちょっと仕事が一段落したので、先日の旅の折々に考えたこと、

仕事の本筋とは離れているけれど、印象深かった話のいくつかを

とり置いてあった旅写真と一緒にまとめてみました。

いつもより、テキスト量が多くて、ボリューミーな記事になりましたが、

休日バージョンということでゆるゆると、ご覧いただけたら、幸いです。

 

いつも、たくさんのご訪問とnice&コメントをありがとうございます。

 *MORIHANA*

 

 


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てりー

今日は、少年野球が雨で中止、ここ二ヶ月で、土曜は晴れなのに、日曜の野球の日はいつも雨というのが8割以上。今日は庭のヤマモモの実を娘と雨の中収穫しました。なんせ、晴れると鳥に一気に食べられてしまうのです。釧路には一度も行ったことがありません。。
by てりー (2009-06-21 18:32) 

sasasa

飛行機や特急列車で、あっという間に目的地へ行く旅よりも、
こうして、ゆっくりのんびりの旅のほうが、
色んな発見があったりして、楽しさもたくさんですね(^_^)
by sasasa (2009-06-21 19:59) 

masiko

もちろん飲んでます。

単線ローカル、乗ってみたいっす。
by masiko (2009-06-21 20:09) 

ぱふ

知らない土地を、1駅1駅たどりながら旅したいです。。。
by ぱふ (2009-06-21 20:51) 

八犬伝

列車の旅は、のんびり出来て
そして、風を感じる事が出来て
とても良いですね。
by 八犬伝 (2009-06-21 21:15) 

green_blue_sky

行きたいなぁ~
のんびり列車で北海道や東北を回りたい~
そして猫にも会えそう(^○^)
by green_blue_sky (2009-06-21 21:35) 

YASH

考えてみれば鉄道の旅も、バイクのそれと似たところがあるのかもしれません。
点を結ぶ単なる移動手段じゃなく、日差しと風雨の中、道をたどること自体に
旅を感じてしまいます。
たとえそれが日帰りや一泊二日であっても。

扉の写真のホームに佇む女性はMORIHANAさん、なのかな?
by YASH (2009-06-21 23:01) 

中島茂信

5~6年前、ノロッコ号、釧網本線を取材したことがあります。駅にあるレストランも取材しました。車窓からの風景はもちろん、釧路湿原を走る電車も撮影しなければならず、レンタカーを駆使した取材でした。
いま、あのような経費をかけた取材ができない時代になりました。カメラマンとふたりで北海道、いや、大阪、名古屋でさえ行けません。「そんなんで雑誌が作れるの?」と思いつつ、飲食店めぐりをしています。
by 中島茂信 (2009-06-21 23:12) 

Baldhead1010

北海道もディーゼル車が多いですか?

のんびり旅がいいですね。
by Baldhead1010 (2009-06-22 05:41) 

ナツパパ

北海道までは飛行機または車、道内も車、での移動ばかりになってしまいました。
学生の頃は、道内を普通列車で移動していたのに...堕落です(笑)
思い出すのは、帯広~釧路~根室を普通で往復したこと。
腰が痛くなりましたが、愉しい経験でした。
...腰痛といっても、今のように長期的なものにならなかったのは若さのせい?
by ナツパパ (2009-06-22 08:18) 

そらまめ

おはようございま~す。
今朝はものすごい風です(汗)
この辺だけかな・・・(笑)
川湯のレストランカフェ、行ってみたくなりました。
さろげないステンドがいいですね~。
やっぱりシンプルなものに限るな・・・
by そらまめ (2009-06-22 08:35) 

axl-

普通車のあの背の立った座席に長時間座ってるのは
苦痛以外の何物でも無いなぁ。
やっぱ車の旅が一番だ(笑)
by axl- (2009-06-22 09:24) 

うに

新緑の中を走る列車、ステキです。(^^)
ごとととん… ごとととん…  列車の音が遠くから聴こえてきそう。
なんでもかんでも、スピーディに… じゃ ココロもカラダも疲れちゃいますよね。
実は、どこかのローカル線を撮りに行きたいと考えているのですが… 
なにせ経験が無いもので、なかなか決めかねています。
…その前に、体調治さなくちゃ。。(汗)
by うに (2009-06-22 10:42) 

rinco

ローカル線の乗り継ぎ旅が出来る事自体ある意味贅沢ですね。
背負う物がない時代にしてみたっかった…なんて、自分は他の事
かなりやった方だと思うので…気がつかなかった自分が悪いかな…。
今度背負う物がなくなった時はいくつになっているのかな…。
その頃まで健康でいられたらと願うばかりです。
ちょっとしみじみしました〜!
by rinco (2009-06-22 14:47) 

MORIHANA

てりーさん>こんにちは。雨のおかげで、ヤマモモ収穫が楽しめて、
おいしいジャムがストックも。有難い雨の恵み、ですね (^_-)-☆
釧路は自然が豊かで食べ物もおいしい、いい土地です。
お子さんと一緒にぜひ、お越しください。

ささん>旅の目的とか休みの長さにもよるけれど、
たまにはこういうのんびりとした列車旅もいいものです。
進む速度が遅くなると、普段は気づかない風景や人の温かさも
見えてくるような気がしました。

masikoさん>単線ローカルに揺られながら飲む地酒、ビールは
おいしいでしょうねぇ…。駅の売店で竹輪買って、おつまみにして。

ぱふさん>たまには、ゆっくり、移動することを楽しむのも
いいものです。…日々の仕事も、かくありたいものですね(w

八犬伝さん>冒頭のノロッコ号は、窓が開け放てる改造車です。
バンとフルオープンにして写真を撮っていたら、湿原の空を舞う
鳥、草原を駆けるエゾシカになったようで。旅の風景に匂いは
とても大切なものだなぁと実感しました。

greenさん>そういえば、北海道のローカル線の駅周辺で
ニャンコを見かけることは、少ないかもしれません。たまたま、でしょうか。
でも、冬の気候が厳しいので、もっと人の生活圏に近い場所に
集まるのかもしれません。その代わり、温泉地へ行くと、いつもの場所の
ような感じの外猫軍団をよく見かけますよ。ローカル線で湯めぐりの旅は
いかがでしょうか?

YASHさん>トップ写真は、気動車のヘッドマーク前で記念撮影を
していたお客さんを後ろ側から撮影したものです。なんとなく、光と
影のバランスが面白くて。

旅は、移動手段が不便で過酷であるほど、旅情も増すような気がします。
20年位前は、カヌーの川旅もしましたが、多分、一生忘れないでしょう。
途中、何度もカヌーを捨てて、陸に上がりたくましたので。
(あ…決して、M体質ではありません。笑)
そうそう、先だって高速道路を走っていたら、ずいぶん、たくさんの
本州ナンバーの大型バイクを見かけました。旅シーズン、本番かなぁ。

中島さん>今回、釧路駅に車を置いて、ノロッコ号で往復しました。
それ以外の場所を効率よく回って、ミッションを完了させるにはやはり、
車がなければ…無理ですから。書籍・雑誌の世界は未曾有の不況。
どこも、大変です。そうそう、今回と似たようなルートを昔、東京の出版社の
仕事で回ったことがあります。そのときは東京から、ドライバーとモデルちゃん、
スタイリスト、ヘア・メイク、カメラマン、編集者がやってきました。
今思うと大名行列のような仕事だったなぁと懐かしく思い出していた
取材旅でもありました。

トトさま>北海道人は、今でも列車のことをつい、つい、
汽車…と呼んでしまいます。それだけ、北の暮らしとSLが親密な
時代が長かったということの証なのでしょう。

札幌圏はかなり、電化が進んでいますが、一歩離れたローカルは
今もディーゼルの気動車が活躍しています。

ナツパパさん>昔々、学生時代のころは時間は無限にあると
当たり前のように思っていませんでしたか? 多分、青春18きっぷや
周遊券をポケットにねじ込んで、そんな旅ができたのはそんな若者だったから。
今同じことができないのは、決して、堕落ではないと思うのです。また、
人生の節目を過ぎれば、さらに速度は落ちそうですが、そんな旅が
できるようになるのではないでしょうか。

学生時代に、木製ベンチシートの普通列車・夜行で函館へ行きました。
オープンデッキに出て眺めた夜明けの大沼の美しさは今も鮮明に。
あの当時は、どこへ行っても、鉄道を使って旅している大学生が
ぶらぶらしていましたよね。今は気質が変わったのか、そうした
若者が少なくなった気がします。ネットカフェのほうが楽しいのかな?

そらまめさん>今日はこちらも朝からものすごい風が吹いていました。
ベランダのハーブなんか、風にちぎられそうな勢いで揺れてます。

川湯のカフェは、昭和11年建築の駅舎をそのまま利用しています。
店舗は事務室と貴賓室(VIP用の待合室)が使われていますが、
内装は建具も含めてかなり修繕が必要だったとか。ステンドもそのときに
空間にあわせて特注したものだそうです。シンプルで品がよく、
何度見てもいいなぁと思います。ちょっと遠いですが、いつか、ぜひ。

1号>ローカルも今は、いろんな企画列車が走っているから、
すわり心地のいい椅子もあると思う。でも、無理して乗る必要は
ないから…。車でも、気持ちの持ちようをローカル仕様にすれば、ね。

うにさん>元気になって、生活がいろんな意味で落ち着いたら、
北海道でゆっくり旅を楽しんでください。急がなくても、大丈夫。
生きる速さも、時々、シフトダウンしないと。
本州・関東圏のローカルは門外漢です。きっと街角激写の先輩諸氏で
詳しい方がいると思います。あと、鉄子入門的な本もいろいろ、
出ているんじゃないかなぁ。今、ちょっとブーム、らしいから(微笑

rincoさん>上にも書きましたが、やはり、若者のころにしか
できない旅ってあるような気がします。でもね、今回、久しぶりに
列車に乗ったら、熟年夫婦や家族連れ(母娘)がかなり目立ちました。
急ぐ必要のないゆっくり旅は、大人向きなのかも。いつかの旅を目標に、
今の生活を楽しみ、慈しんでくださいね。

*曾根オモオモな状況下にもかかわらず、ご訪問くださった方、niceを
ポチッとしてくれた方、ありがとうございました。
by MORIHANA (2009-06-22 16:12) 

ねこじゃらん

旅に出たい・・・・・・湿気の低い涼しいところへ(・_・)
by ねこじゃらん (2009-06-22 16:14) 

ピカデリー

ポストカードみたいな写真に
詩のような文を読んだら
ローカルな旅もしたくなりますね♪
もともと嫌いな訳ではないので。
本当はとても贅沢な旅なんですよね。
by ピカデリー (2009-06-22 17:12) 

massa

ノロッコ号、いつか乗ってみたいと思っています。
のんびり列車の旅、いいですよね。
ステンドグラスもとてもステキで
思わず「世界の車窓から」を口ずさみながら拝見してしまいました、笑。
朝、こちらに来たのですが重くて写真が見れませんでした。
ソネブロ少し軽くなったようですね、苦笑。
by massa (2009-06-22 20:57) 

MARI

子供の頃、遠出をする際はいつも電車でした。
両親とも免許がなかったからですが。
その頃は特急といっても結構時間が掛かって、
外の景色を眺めたり、お弁当食べたり遊んだり、
移動時間も楽しかったことを思い出しました。
by MARI (2009-06-23 01:19) 

たま

列車の旅はいいですね。車窓を眺めながらのゆっくり旅。移動手段も旅の大事な要素ですもんね。
わたしは「冬の釧路湿原号」に乗りました。予約ぎりぎりもうちょっとでアウトでした。はい、はい^^お弁当買って、乗りましたよ。雪の釧路湿原・・すばらしかったです。
by たま (2009-06-23 01:44) 

花火師

いいですねー旅に行きたいです
じっくり考える事の出来る列車の旅・・・行きたいです
by 花火師 (2009-06-23 01:49) 

ひろころ

ローカル列車の旅は好きですねー。
列車のスピードに合せてゆーったりと流れる時間が、心にやさしい☆
昔ながらの「カタン、コトン」って揺らぐ音を聞いてるのも心地よい。
SLに乗りに行った時はほんと子どものようにわくわくしましたよ(^^*)v
今度はどこへ行こうかなって、あれこれ思い巡らせるてる間も愉しいひとときです♪
by ひろころ (2009-06-23 11:31) 

ヤヨ

車窓からどんな景色が見えるのかなぁ・・・。
いつか乗ってみたくなりました。
列車ならではの旅情ってありますよね。
寝台車にあこがれたり、
青春18キップで乗り継いで乗り継いで遠くまで行ったり。
by ヤヨ (2009-06-23 14:54) 

lotus☆

北海道はいつもでっかくて広いので車を利用してしまうけれど
いつかのんびりと時間が取れたら
駅舎にあるひっそりとした食道や喫茶店や、
車窓から流れる景色をのんびりと眺めながら
電車でコトコトと揺られて旅したい。と思うのです^^

by lotus☆ (2009-06-23 23:40) 

barbie

時間さえあれば、鉄道の旅がベストですね♪
by barbie (2009-06-24 00:20) 

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