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Delicious Anniversary [季節の彩]

  

大地のチカラ blog.jpg

 

 

 

一見、チョコレート菓子のようにも思えるこの一皿(↑)は、

牛蒡とリーキをブイヨンで炊き、トリュフをまとわせた仏蘭西式野菜料理。

 

直径2.5cmほどの見事な牛蒡は、十勝の農家さんが

自家採種でひっそりと守り続けてきた稀少な固定種。

リーキは、小樽の隣まち、余市で養鶏と野菜づくりを行っている農家さんが

堆肥たっぷりの土の布団に包んで大切に育てたものだ。

 

熱と出会うことで柔らかく、滋味豊かに甘くなった根の野菜たちは、

とろりと口の中で解けた瞬間、大地が香る。 

土に抱かれて育ったモノたちならではの

個性と強さ、豊かな味わいが凝縮された一皿は

テーブルの、舌の上で主菜に負けない存在感を放っていた。

 

そんな大地の力に満ちたフレンチを楽しめるのが、

長年、通い続けているビストロ「ラ・サンテ」。

北海道の旬の食材を生かした料理は、どれも質実で誠実な味がする。

札幌にもいくつもの有名店、東京の有名シェフゆかりのレストランがある。

たまには話の種に行ってみようかと思うが、仕事以外ではほとんど行ったためしはない

さまざまな場所をたくさん見、情報通になるよりも、

同じ所を長時間かけて眺める定点観測が、本来は好きなのだ。

 

 料理人も、食べ手も、歳を重ね、少しずつ嗜好も変わっていく。「いつも」…の中にも、

必ず思いがけない発見、新しい出会いがある。それが、愉しくてたまらない。

 

 

 

秋味テリーヌ blog .jpg

 

写真上は、冷たいカボチャのスープと桜海老のパンを組み合わせたアミューズに

続いて登場した一品。脂がのった身厚な秋鯖を使ったこの店の秋の定番料理だ。

一緒に盛られたサラダ風の一品は、白身魚のカルパッチョ仕立て。

 

   

ふっくら、クリーミー♪ blog.jpg

  

 

二皿目は、旬を迎えてふっくらと肥った牡蠣を

軽くソテーした一品。

高橋シェフの料理はシンプルに見えるが、

実はいくつもの仕事が隠れている。

牡蠣の料理のに敷いたカブのクリーミーなソースには、

磯の風味を引き立てるよう、細かく刻んだ昆布をしのばせてある。

また、カルパッチョ仕立てのサラダには、ナシのようにサクサクとした

食感が愉しいヤーコンのピクルスが隠れている。

ささやかに主張する細かな仕事が、質実な料理に深い陰影を与えている。

 

 

 

 蝦夷ジビエ blog.jpg

 

 

牡蠣の次に出てきたのが、冒頭の牛蒡の一皿。

そして、コースのトリを飾ったのは、

こちらも今が旬、高橋シェフ自慢のジビエ料理だ。

毎年、11月を過ぎて、エゾシカや山鳩、鴨などを使ったジビエを味わうと、

もうすぐ本格的な冬が、新しい年がやってくる…と腹の底から思う。

今年もまた、エゾシカのロゼ色の柔らかく、癖のない肉をかみ締めるたびに、

慌しく過ぎていくであろう年末年始に1歩ずつ近づいていくような気がした

 

 

もし、札幌を訪ねることがあったなら、ぜひ「ラ・サンテ」を訪ねてほしい。

ちなみに、今回記事で紹介したコースは、

ひとり5,000円でお釣りが来るオードブルコースだ。

一皿が少なめで、オトナサマの胃袋にはちょうど良いボリューム。

別料金のデザートやワインをあわせても、予算はひとり1万円くらい。

郷土料理店、寿司屋とはひと味もふた味も違う、

北海道の旬を満喫できるだろう。詳しくは下記HPで…。

 

http://www.la-sante.jp/index.html

 

窓辺にクリスマスの気配.jpg 

 

  

窓辺に置いたワインクーラー代わりの大きな焼締め片口に、

ジューンベリーの鉢植えを飾ったら、一気にクリスマスの気配。

 

明日からの週末、連休(飛び石)が愉しいものでありますように。

 

* MORIHANA *

 

   

 

 

 

 


nice!(66)  コメント(21) 
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コメント 21

甘党大王

素敵♡
美味しそう・・・という前に思わず「素敵!」と言ってしまいそうな
魅力的なお店ですね。
by 甘党大王 (2010-11-19 17:04) 

お茶屋

本当に「素敵!!」ですね〜♪
すばらしいです^○^
by お茶屋 (2010-11-19 17:07) 

engrid

すばらしいシェフの技、感嘆と垂涎です
ふっくら牡蠣も見事なら、とりを締めるシビエ
季節も感じさせる素材、こちらでは、鴨ぐらいしかいただけません
すばらしいですね
赤い実はクリスマス、そしてお正月の千両と
気ぜわしい季節になって参りました
by engrid (2010-11-19 17:27) 

うに

シンプルに見えても、奥深い味… 
ああ~ ぷりぷりの牡蠣さんが美味しそう!
こんなに美しい料理を頂けるのに、なかなかリーズナブルですね。
うー 行きたい~
by うに (2010-11-19 20:03) 

green_blue_sky

すばらしい一品(^▽^)
おいしそう。
寒い日が続きますね(ー。ー)フゥ
by green_blue_sky (2010-11-20 09:19) 

ぐーちゃん

なんと豊かな食材の数々。
札幌は、自然にも料理のアートにも
恵まれているところなんですね。
そしてなにより、そのリーズナブルなこと。
つくづく、東京は「土地の値段」を食べていると思います。

いちど、トリュフの産地で、パスタかリゾットに
トリュフをすりおろして食べてみた~い!
by ぐーちゃん (2010-11-20 09:25) 

ねこじゃらん

おいしそ〜〜う!!
全部好物です、全部!!特に鹿さんを頂きたい…
トリュフはトリュフの味香りをしっかり味わってみたい…(笑)
by ねこじゃらん (2010-11-20 09:58) 

Ranger

ホントに食べ物である前に芸術ですねぇ
画家が、筆や絵の具を選ぶように食材を吟味し、皿に飾り付ける
牡蠣も美味しそう^^
by Ranger (2010-11-20 10:26) 

ナツパパ

定点観測...なんて素敵な言葉でしょう。
わたしも、あれこれ広げるより、ずっと長い付き合い、になります。
最初はご縁でも、そのあとはそれぞれの姿勢でしょうか。
いつもの...が大切、と思います。
by ナツパパ (2010-11-20 11:12) 

れもん

ほんとうにおいしそうです。旅先ではすぐに郷土料理をと思ってしまいますが、このようなお店を知っていると得ですね。行ってみたいです。
by れもん (2010-11-20 20:23) 

daisuke

美しくて美味しそうで・・・
郷土の味覚の表現って色んな形で出来るんですね
このコース僕も頂いてみたいです
北海道にのんびり行ってみたいな~
by daisuke (2010-11-21 07:50) 

八犬伝

これで、5千円ですかあ。
素晴らしいコストパフォーマンスですね。
ああ~、食いたいな。
by 八犬伝 (2010-11-21 21:03) 

二兎丸

ぬおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
なんて眼に毒(?!)、もとい眼福なご馳走たち(>ω<)♪
エゾシカにベリーのソースとか、
いかにも北海道の冬手前…って感じ。
ジビエは未だ経験無いの。一度食べてみたいなぁ。
by 二兎丸 (2010-11-22 00:10) 

ふじかわ

うわ、一気におなか減ってきたw
by ふじかわ (2010-11-22 15:30) 

anan

美味しそうですねえ。こんなお料理が味わえるなら、それだけを目的に、札幌を訪れても価値がありそう。久しぶりに行ってみようかしら。それにつけても、素晴らしさをちゃんと伝える写真の腕前がすごいです。
by anan (2010-11-22 15:58) 

フサヲ

なるほど宮の森・・・ ゛(  ̄  ̄)!
ちょぉっと私には、まだ早過ぎるお店ですね~(苦笑)
ステキ過ぎて、ちょーキンチョー(笑)しそうな自信があります(^m^;)゛
by フサヲ (2010-11-22 16:09) 

カエル

きゃーーーーっ。
画面の前で悲鳴を上げてしまいました。
美味しそう。
牛蒡が気になります。

by カエル (2010-11-23 10:48) 

Bianca

こんにちは☆
直径2.5cmのごぼうですかぁ~。。。見たことないなぁ。
続くお料理のお写真に唾液が湧いてきました。
特にプリップリの牡蠣は、噛んだときの汁まで想像できます~♪

by Bianca (2010-11-23 22:43) 

GRACE

MORIHANAサンが通いつめるお店、相当気になります。
通い手も店も歳を重ねていく。それってステキなことですね☆
終の棲家が蝦夷で見つかったなら、私もここで歳を重ねてみたいです。
覚えておきますね。
by GRACE (2010-11-24 16:20) 

まぐろとわさび

秋鯖のオードブルを食べてるところを想像してみました。
あぁ・・・もうあきまへん;。;
どんな味なんだろう。。罪だ~(泣)
by まぐろとわさび (2010-11-24 17:02) 

massa

どれもおいしそうですね♪ワインが進みそうです。
鯖はアニサキス事件依頼食べていませんが
肉厚で脂がのっていて・・・あぁ食べたい!!
↑ホント罪です。^^
by massa (2010-11-26 09:30) 

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